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修了生の声

令和7年度修了

生命環境学群生物資源学類 生方寿明

私は筑波大学に入学する以前から語学としてのアラビア語に関心を持っていましたが、ある時アラビア語が使用されている中東・北アフリカ諸国において乾燥した気候条件や水資源の制約に対応するための特徴的な農業政策、技術開発が行われていることを知りました。これらの地域では、気候上の制約に加えて食料安全保障の観点からも効率的な食料供給の実現が重要な課題となっています。一方で日本の貿易政策の観点では、高級志向の和牛や水産物の中東向け輸出は重要な分野の一つとして注目されています。さらに、中東・北アフリカ諸国はMENA(Middle East & North Africa)という枠組みのもと、新興国を含む多様な経済発展段階の国々から構成され、石油資源を背景とした経済投資の活発化により国際的な注目を集めています。
本プログラムを通じた学びでは自身の専攻である生物資源科学に加え、地球規模課題や発展途上国、新興国が抱える課題などの国際的な視点を身につけることができました。また、アラビア語や英会話講座などの実践的な語学の授業は専門分野と国際的な視点を結びつけるために必要なスキルの習得において、とても有意義な機会となりました。さらに、新興国での現地経験としてエジプトに渡航し、アラビア語や現地の食文化、農業生産に触れることができました。これらの経験は全て本プログラムの後押しがあったからこそ実現できたものであると感じています。加えて、大学の授業では自身の専攻について学ぶことが中心となりますが、本プログラムを通じて多様な分野の授業を履修する中でそれぞれの知識や課題が相互に関連していることを意識的に理解し、より深く考察することができました。これは単に自身の興味を広げるだけでなく、MENA地域をはじめとする国々が抱える個別の課題を多角的に捉え、今後それらの地域と実際に関わっていく上で不可欠な視点であると感じています。
本プログラムでの活動は一区切りとなりますが、今後も農学と中東・北アフリカ諸国における食文化や農業生産について自分なりの学びを深めていきたいと考えています。そして将来的には、MENA地域に何らかの形で関わることができれば嬉しいです。最後に、TG+プログラムの先生および事務局の皆様には、約2年半にわたり進路相談や履修手続きなど多方面でご支援をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。